死ぬということは「抑制系の進化」?〜京都にて生物学者・高木由臣さんインタビュー for 『TISSUE Vol.4』。

bio&anthropos

こんばんは。
久しぶりに関西方面に取材に来ています。
今日のメインは京都で生物学者の高木由臣先生へのインタビューだったのですが。。。ちょっと欲張って、お世話になっている医師の佐古田三郎先生ともお会いする約束をしたため、葉山を出たのは朝の5時。笑

午前中に大阪の豊中市で佐古田先生に会い、そのまま京都へ向かい、高木先生にたっぷりインタビュー。。。いま、ようやく一息つけましたが、ちょっと整理しきれないくらい密度の濃いお話が伺えました。

佐古田先生と話したことはまた改めてお知らせしますが。。。高木先生のお名前って、僕の仕事を知っている方でもピンと来ないですよね?
以前、このタイムラインでも少し触れましたが。。。

●生き物はなぜ死ぬようになったのか?(寿命を持ったのか?)

●細胞分裂を繰り返すだけだった原初の生き物(原核生物)がなぜ多細胞化し、大型化する道を選んだのか?

●生殖(有性生殖)によって子孫を残すシステムはなぜ生まれたのか?

●そもそも、進化するということはどんな意味を持っているのか?

といった生命の進化と寿命の謎を、ゾウリムシを主な対象に考察し、研究しつづけてきた稀有な研究者と言えばイメージしやすいかもしれません。

不思議に思うかもしれませんが、たった一つの細胞で成り立っているバクテリア(細菌)には、寿命というものがありません。

寿命がないということは、もちろん時間もない。

この大気中にも、身体の中にも、こうした「永遠の生命」を持った存在が偏在していて、ヒトの生存にも多大な影響を及ぼしているわけです。

つまり、永遠はすぐ「ここ」にある。。。

有限な世界と無限の世界は地続きで、じつは境界もあるようでない。。。

以下、インタビューの一部をざっくり再現すると。。。

高木「生物が巨大化し、多細胞化していく過程で、それまで無限に分裂していた細胞に抑制がかかりました」

ーーいわゆる「抑制系の進化」ですね。進化というけれども、実際は無限に続いていたものを有限の枠の中に押し込めたと。

高木「ええ。もうひとつの抑制は、細胞の中に死を選ぶものが現れはじめたということです。エネルギーを節約し、生存の条件を上げるためです」

ーーアポトーシス(細胞の自然死)の原型のような? 個体が死ぬことの前段階の話ですよね。

高木「死ぬということは、生物が新たに獲得した能力なんですよ。本来、死ねないのが生物なんです」

ーー死が絶対ではないということ?

高木「死ねるように進化した生き物がいたということでしょう。その先にあるのが有性生殖であり、そもそも有性生殖とは。。。(以下略)」

この先は科学・哲学インタビューサイト「Bio&Anthropos」および「TISSUE Vol.4」で、さらに深く、さらに解きほぐし紹介できたらと思っています。
それにしても、面白い取材ができたときほどついついインタビューカットの撮影を忘れてしまう。。この点だけは反省しています。笑

★科学・哲学インタビューサイト「Bio&Anthropos」(バイオ&アンスロポス)
https://www.bio-anthropos.com

(プロフィール)
高木由臣(たかぎ・よしおみ)
1941年生まれ。理学博士。奈良女子大学名誉教授。1965年静岡大学卒業、京都大学大学院理学研究科入学、1969年同博士課程中退、京都府立医科大学教養課程助手、講師(1974)、1975年奈良女子大学理学部助教授、教授(1994)、理学部長(2000)、1981年ワイオミング大学(米)・ミュンスター大学(独)客員研究員、1988年日本動物学会論文賞、2005年奈良女子大学定年退職。

主な著書
『生物の寿命と細胞の寿命―ゾウリムシの視点から』(平凡社1993)、『寿命論―細胞から「生命」を考える』(NHK出版2009)、『有性生殖論―「性」と「死」はなぜ生まれたのか』(NHK出版2014)。共著に『Paramecium』(Springer 1988)、『生命システム』(青土社1997)、『ゾウリムシの遺伝学』(東北大学出版会1999)、『ダイナミックスからみた生命的システムの進化と意義』(国際高等研究所2008)、『生きものなんでも相談』(大阪公立大学共同出版会2009)、『生き延びること』(慶応義塾大学出版会2009)、『生物進化の持続性と転移』(国際高等研究所2011)ほか。

Follow me!